Nothing, Something, Everything

 

このビデオは、宇宙飛行士が撮影した1,661枚の写真から制作された。アイルランド、イギリスの先に西ヨーロッパが広がり、最後は中東までの様子が映し出されている。このとき「Nothing, Something, Everything」は国際宇宙ステーション(ISS)の中にあった。そして、パリ上空を静かに通過しようとした瞬間、僕は涙を流した。

2020-03-22 23:35:00 UTC to 23:48:49 UTC

平均高度 422.65km
平均時速 27589.73km/h

 

Project III: ロンギング・アンド・ビロンギング

 

地球低軌道の微小重力環境にあっても、磁石は依然として地球の強い磁場に引き寄せられる。円筒形の磁石は、重力が存在しない空間でも、どこにあっても地球の磁北と磁南を指し示す。その姿は、私たちの「憧れ」や「帰属意識」の隠喩となる。そして、一方の端が常に地球を指しているということは、他方の端は必ず地球から遠ざかる方向を向いているということでもある。すべてのつながりには、必ず「距離」や「別れ」あるいは「未知」といった対になるものが伴うのだということを、私たちに静かに思い出させてくれる。